内装工事計画で大切なこと その2

予算について

 

予算の考え方・決め方のポイント

 

マンション内装工事の予算は、はっきりとした予算はなかなか決まらないと思います。うちの物件にはどのような内装工事が必要なのか、

原状回復といっても壁面クロスの張り替え・床の塩ビタイル貼り替え・畳張替であれば、使用する材料のグレードの選択と物件面積で、ある程度の工事金額が算定できると思います。

しかし、入居予定者が重要視する場所としては、【玄関廻りスペース】【水廻りスペース】【収納スペース】ではないかと思われます。

 

これらの部分も、貼る・塗るだけで遜色がないのか、それともキチン・トイレ・洗面台・浴槽等の取替え、老巧化した配管の取替えが伴ってくれば、物件の耐久性アップとはなりますが、どの程度の工事金額になるのか、専門の業者でなければ、なかなか分からないのが実情だと思います。

 

内装工事は、汚れたり・古びたり・時代に合わなくなった物件を、魅力的に生まれ変わらせる手法です。しかし、いかに安く、効果的に再生(リノベーション)できるかが重要です。

 

その内装費用も、だいたい2年間での回収が目安と聞きます。しかし、経営センスのある大家さんだったら、物件の魅力と耐久性もアップできるよう、長期的な再生(リノベーション)を計画して【大幅な間取り変更】【老巧化した設備や配管を一新】【遮音性や断熱性の改善】【結露やカビ対策】などを、どのタイミングで行っていくかと長期計的な計画をする。

そして、貼る・塗るだけの原状回復工事をしていけば、【設備の点検や補修】【メンテナンス改善】を注意するだけで十分となります。

 

内装工事費の金額は、どこを・どの程度に・見た目だけで良いのか・中身もしっかり新品にするという再生(リノベーション)の選択と各々の使用材料・使用設備のグレードにより違ってきます。

 

あなたは、今回の内装工事のための予算が決まっていますか?

 

共同住宅であるマンションでは、一つの建物を区分して複数の世帯が住んでいます。このような区分所有建築物には、「建物の区分所有権に関する法律」が有り、リフォームの際などにこの法律の規制を受けます。

特に重要なのが、どこまでリフォームしてよいか、という点です。マンションには、「専有部分」と「共有部分」があり、リフォームは専有部分に限られ、共有部分は勝手にいじることは出来ません。

どこまでからどこまでが専有部分なのか、計画の前に知っておくことが重要です。

 

◎マンションの専有部分と共有部分
         専 有 部 分          共 用 用 部 分
コンクリート構造(躯体)の内側やサッシの内側の ・コンクリートの床や壁
部分。住宅内部の仕上げ部分および設備や配線 ・天井、梁、柱などの躯体
配管まで ・玄関ドア、サッシ
・パイプスペース(各住戸を貫く縦方向の配管類)など
・バルコニー

 

◎マンションでリフォーム出来るところ、出来ないところ
  部位    出来る・出来ない
玄関ドア 取替えられない。   室内側を塗装することは出来る。
サッシ 取替えられない。   室内側に内窓を付けることは出来る。
間仕切り 構造壁以外は取り払うことが出来る。
水廻り 可能だが、排水管や排気ダクトの経路の問題で、床下や天井内の工事
がからんでくるため、大幅な異動はしないほうが無難。
給湯器 外壁に配管のための穴を開けられるかどうかなど、管理組合に確認を。
電気 電気容量のアップは、マンション全体の容量に余裕があれば可能。
和室をフローリングに まず施工可能か管理組合に確認を。2階以上なら、防音性能をつけるこ
とが必要。
バルコニー 火災時などの避難経路になるので、大きなものを置くことや、隣との隔壁
に板を設置するのはタブー。ただし、取り外せるデッキパネルを敷くのは
問題ない。

 

◎管理規約をチェック

マンション・リフォームをする場合、まず管理組合の「管理規定」をチェックしておきましょう。

共用部分の範囲、使用方法、管理組合への届け出方法などリフォームに関する規約が定められています。

 

 

内装工事計画で大切なこと

 

 

 

 

 

物件の魅力と耐久性アップを考えた

長期的な再生(リノベーション)計画をきちんと考えていますか?

 

大家さんは、賃貸している物件に空室が発生したら、 速やかに物件の原状回復をして入居者を探そうと考えることと思います。

そこで、内装工事業者はどうしようか・・・?

今までお願していた不動産業者に紹介して貰い、不動産業者に入居者を探してもらうのが良いかな!

業者選びから、内装工事までお任せしている大家さんもいらっしゃるかもしれませんが、大家さんにとって内装工事は、費用も勿論ですが、内装工事をすることに依って部屋の魅力をアップし、高い家賃での入居者を獲得することが目的ですので、他人任せでは良い結果がでません。

 

ですから、内装工事の計画が大変重要になってきます。

 

  工事内容について

 

大家さんの内装工事については、自分で居住するマンション居室のリフォームやリノベーションと違い、内装工事の予算金額に限りがあります。

低コストで魅力を与える内装をするということが重要となっているからです。

 

マンション居室のリフォームやリノベーションをする時に次のように工事を分けることが出来ます。

 

  • 原状回復
  • キッチンリフォーム
  • 浴室・風呂のリフォーム
  • トイレリフォーム
  • 玄関廻りのリフォーム
  • 和室・洋室のリフォーム
  • 間取り変更
  • スケルトンリフォーム

 

物件の状態によって内装する場所・方法・工事のグレード・次回内装工事時に廻すというように工事内容を選択することができます。

 

築年数が新しく、今までの入居者が丁寧に使ってくれていた場合は、原状回復でも基本的な工事である貼る・塗るとか、和室が有れば畳張替・襖張替程度の内装工事で済みます。

入居者の使用状態によっては風呂・トイレなど設備の交換が生じることが有ります。

 

築年数が経過している物件だったり、空室期間が長期に渡っている物件については、貼る・塗るだけの単純な原状回復だけでなく付加価値を与えて再生する、それもなるべく今あるものを生かして大幅改装することを選択しなければならなくなってきます。

 

あくまでも、マンション居室の内装は、魅力ある物件に再生するために行います。

そのためには、物件が所在する地域は単身者が多いのか、ファミリー世帯が多いのか、年代はいくつくらいの人が多いのか、性別ではどうなのか・・?

 

大家さんは、これらのことを知らなければなりません。

 

そして、どの入居者層に向けて部屋を作るのかを決める。

 

その入居者層に合った効果的なリノベーションを行うことが重要です。

 

内装費用についても、2年での回収が目安と聞きます。しかし、築年数が経過して長い間空室が続いていた物件などは、原状回復レベルのコストをかけるのでなく、入居予定者層の要望を取り込んだ大幅なリノベーションをして、付加価値を付けなくては入居して貰えません。

 

これからは、経営センスのある大家さんが望まれています。内装工事も短期的な原状回復だけを考えるのでなく、物件の耐用年数も考えた長期的なリノベーションも考慮していかなければなりません。

このためにも、有効なアドバイスのできる内装工事業者の選択は重要事項となってきます。

空室をゼロにするために その3

内部のひと工夫で変わる

水廻りのリフォームは見逃せない

大がかりで金額もかかりそうと躊躇しがちな水廻りのリフォームですが、直接素肌に触れる部分の多いバス・トイレ・洗面所という水廻りが、あまり貧弱でがっかりしたという入居者は多いのではないでしょうか。

反対に水廻りのリフォームの成功が、他の物件との差別化を図り、空室をなくすカギとなる可能性もあるのです。

水廻りのリフォームの場合は、居室に比べ専門知識や綿密な事前の調査が必要です。大規模な改修で給排設備の取り付け変更が伴う場合は、取り付け位置や排水勾配の確認が必要となります。

賃貸住宅の場合は、予算内でどこを重点的にリフォームしたら最大の効果を出せるかを考えなくてはなりません。

将来には直さなくてはならないと思われているならば、最良な時期を決めて実行されれば他の物件との差別化になります。

 

キッチン廻りのリフォームで変わる

住宅の中で唯一作業のための場所であるキッチンは、他の空間と違い広ければ良いというものではありません。

むしろコンパクトであるほうが、使いやすい場合もあります。

様々なタイプの中でどれにした方が良いのか?

配置はどうすれば良いか?

素材は何を使ったら良いか?

悩まれている大家さんもいらっしゃる事と思います。古い日本の住宅ではキッチン(台所)は必ずといって良いほど独立して北側に配置され、狭い、暗い、寒いが常識でした。

現在の住宅では「家で中心になるところは何所か」と聞かれればLDKと答える人がほとんどでしょう。

もともと広さに限界のある賃貸住宅では、たとえば3畳のキッチンと通路分の1畳を取って、残りのLDKが8畳たらずにしたとします。家具を置かない状態でも、かなり狭い印象になります。

この場合、部屋の隅にオープンなキッチンがある12畳のLDKとした方が、確実に選ばれる確率が高いと思います。

キッチン廻りのリフォームを考える場合は、「選ばれるキッチン」を作ることを計画して下さい。

賃貸住宅の決定権は、6割の家庭で女性の意見が優先されているといわれます。つまり、選ばれるキッチンを持つ賃貸住宅が、結果的に選ばれる物件となることが高いのです。

 

収納廻りは成約率を高める

賃貸派は、賃貸住宅はあくまで仮の住まいと考えています。手狭になれば引っ越すことも出来るし、状況に応じて住まいを変えられるのが賃貸住宅の最大の利点なので、幾度か経験するであろう移動のことを念頭に置くと、あまり荷物を増やしたくない、と考えるのが一般的です。

ですから、ウォークインクローゼットとか、おしゃれな壁面全体のシステム収納棚とか、キッチンに可動棚付のパントリーとか収納部分がある賃貸住宅であれば、収納用家具を購入する必要もなく、賃貸派に最適な賃貸住宅となりますので、成約率も高くなるものと思われます。

他の物件との差別化を図るためにも、リフォーム時に比較的安価にできる収納部分作りを計画して見て下さい。

 

空室をゼロにするために その2

効果的な色使いと照明の効果

外観のイメージアップを考えて建物を塗装しようと考えている大家さんは、どんな色にしたら良いのか悩んでしまうのではないでしょうか?

そこで、色を使用する場合に注意しなければならないポイントがあります。

① 色を使用する時の基本 

色彩を住空間に使用する場合は、床、壁、天井の順番に色彩を明るくしていくのが最も自然で無難な使用方法です。これは、自然界の法則にのっとっているため最も自然に感じる色使いなのです。

ですから、建物が住宅使用でない(バーなどの商業施設)場合は、天井、壁を暗くするというように非日常的でない使い方が好まれるのです。

それから、個人住宅や分譲住宅の場合は、趣味趣向が反映されますが、賃貸住宅の場合はベースカラーが中心となってしまいます。

床も壁も外壁までも薄い色、白などを使用するとなると、ぼやけてしまって緊張感の欠けたつまらない建物になりがちです。色を使う場合、ベースカラー70%、メインカラー25%、アクセントカラー5%の比率がベストとであるといわれております。

② 色の使い方次第で全く違う印象に

色の持つ力を理解した上で使用することが大切です。洋服であればその日の気分や流行によっていつでも変えることが出来ます。

しかい、建物や内装では簡単に変える事が出来ません。

赤という色の持つ力には、時間の経過を早く感じさせる効果(30分しか居なかくても40分以上経過したかのように感じられる)や、人を興奮させる力がある。

青や青緑のような寒色系の色は、逆の(30分がもっと短く感じられる)効果があります。

このように、全ての色には私たちの深層心理に働きかける、その色独特の力があります。

派手な色柄や奇抜な色で人目を引いても、一時的なもので、時間の経過と共に飽きてくるか、嫌気がさしてさえきます。

住空間で最も大切にすることは、住まう人の安らぎを一番に考えて作ることなのです。

人が居てこそ賃貸住宅が存在するのです、人の肌がきれいに見える色を選ぶのも重要です。

 

従来、賃貸住宅の照明については、その居室の大きさと目的に合った最低限必要な明るさ(照度)を確保することでした。しかし、そこに住む人の年齢によって必要照度が変わってきます。

たとえば、中高年層では、若年層の2~3倍の明るさが必要とされます。

賃貸物件のターゲットをどの層にするかによって照明スタイルも変わってきます。しかし、リフォーム時に変更しようとしても、既存照明が使えるのか、変更予定の位置では不都合ではないか、全体の電気容量に影響はないかと考慮しなければなりません。

しかし、今までの賃貸住宅は照明に重きをおいている感はなく安価なもので済ませてしまうという傾向がありました。

たとえば、デザイン性の高い壁付け照明器具を付けるとか、リビングはムード重視、作業の可能性のある場所には部分照明を設けたりするとか、ここで、照明にももう一工夫できれば、

一気にイメージアップが出来るのです。

リフォーム時に効果的な照明計画も加えて見て下さい。

 

空室をゼロにするために

少ない資金で魅力ある物件に変える

外観のイメージアップ

都市型の単身者やDINKS(子供のいない共働き夫婦)向けなら、シンプルモダンが好まれますが、外観がシンプルデザインの場合は仕上げ材が綺麗なうちは良いのですが、汚れてくると悲惨な状態になってしまいます。

シンプルなだけに、より一層貧相に見えてしまいがちです。

デザインをシンプルにする時は、多少の装飾性が有る方が受けが良いといえます。ノッペリとした外観より好感を持つ人が多いのです。

まず、傷んでいる部分を補修しましょう。外部の傷みは建物本体の耐久性に大きく関わってきますので、定期的なメンテナンスが必要です。

外観イメージを良くするための最もコスト効率が良く、手軽な方法は塗装です。塗装にも多くの種類が有って、質感やボリューム感を出してくれるものや、石のように見える吹付け材、弾力性のある吹付タイルなどもあり、様々な表情を演出することができます。

一口に塗装といっても選択の幅が広いので、コストや効果を考えてどうするか選択しましょう。

エントランス・共有部分のリフォーム

初めて出会った人に好感を持ったり、なんとなく敬遠したりする経験は誰にでもあると思います。

「住まい」の出会いにも同じことがいえます。人は、初めて体験する環境に対し、自分の記憶の中にある情報と比較して評価する癖が有ります。

エントランスや廊下などが汚れている建物は、管理がしっかりしていない物件だというマイナスイメージを植え付け、さらに建物の価値を下げる原因となることも有ります。ですから、建物を訪れた時の印象(ファーストインプレッション)はとても重要となってきます。

1.エントランス廻りの演出

外観に特徴出そうとするとかなりの費用がかかりますが、エントランス部分だけなら少ない費用で出来ます。また、建物のコンセプトを表現できる場所でもあります。

賃貸物件の場合、「目立ちやすさ」「豪華さ」「おしゃれ感」と特徴を持たせる工夫が重要です。

「目立ちやすさ」は建物を訪れる人たちに親切な事でもあり、近隣の人たちに賃貸住宅として常に認識してもらうことにより入居者確保にもつながります。

良く目立ち、外部からよく見えるエントランスは、人の目も多いため、防犯上には大変効果化的です。「豪華さ」や「おしゃれ感」はテラスに鉢植えの花を置くとか植栽などのちょっとした工夫でカバーできます。

2.特徴を持たせる工夫とは

これからの賃貸住宅では、目の肥えている消費者や積極賃貸派を対象として捉えたときに、それなりに小奇麗でおしゃれ感の強いムードづくりが必須条件となってきます。

壁の色と間接照明で柔らかな雰囲気を演出するとか、集合ポスト・宅配ポストなどのデザインや設置場所など、ちょっと工夫をしてみただけで、雰囲気を変えることが可能となってきます。

また、デット・スペースとか空間を活用する方法なども採用してみてはいかがでしょうか。

3.エントランスの外側にも気を使う

銘板・サインのデザインを検討する。これは、立地や入居者ターゲットに適した名称やデザインにすることにより、その物件ならではの魅力を付加することが出来、差別化を図ることができます。

住む人の豊かさが感じられるような形態や材質にし、夜間には必ず「暗すぎず、明るすぎず」のライトアップが必要です。

名称を入れたゲートなどが設けられれば、賃貸住宅の領域を明確にでき、入居者のコミュニティー意識を高めることにつながり、侵入者が立ち入りにくい雰囲気をつくるという最も効果的で手軽な方法です。

.4.共用廊下・階段廻りのリフォーム

集合住宅の共用廊下・階段などは避難施設になりますので、あまり物を置くことが出来ません。とかく暗く、味気ないスペースになりがちですが、夜間には外観からも非常に目立つ部分でもあるのです。

賃貸住宅であっても、入居者の建物に対する愛着感を強める事が空室をつくらない秘けつでしょう。

共用廊下は、エントランスデザインと同様に、照明効果や塗装効果に配慮して、フロアごとに床の色を変えてみたりするなど、コストもそれ程かけずに楽しい廊下を演出するのも入居者の建物に対する愛着感を高める方法といえるでしょう。

大家さん!空室をゼロにする【リフォーム&リノベーション】

日本人の価値観やライフスタイルの変化、所得、資産の格差は地域的な広がりを見せ、市場のモザイク化が進んでいます。

賃貸住宅需要もモザイク化している時代です。こうすれば必ず成約に結びつくといったものが見えなくなっています。

住まい方があまりにも多様化してきているからです。多様化してきているからこそ、住まい方を固定してしまう持家でなく、賃貸住宅なのだと言う方もできます。

小子化時代になり、賃貸住宅は借り手市場が続いている昨今では、競争力のない物件はどうしても空室が多くなりがちです。

原状回復しただけでは何カ月も空室が埋まらない物件も少なくありません。賃料の値下げで対応すると不良入居者が多くなったり、次回には更に値下げせざるを得ないという不良物件へのスパイラルに陥るとも限りません。

空室を埋める場合の打開策がないわけではありません。賃貸住宅も≪商売なんだから経営センスが必要なんだ≫という意識をもって臨めば、解決の道は開かれます。

経営するには表面的なことばかり追い続けると長続きしません。まずは、住宅空間のイロハも必要です。工事の頼み方、予算の考え方も重要です。実行に移すには、チョットしたアイデアや事前策も必要です。

住宅は、生活空間としての女性ニーズが取り込めていなければなりません。分譲住宅では、いち早く女性ニーズを採りいれています。賃貸住宅は、その点かなり遅れていると言っても、過言ではありません。

本サイトが空室で困ったときの物件つくり、また、空室で困らないために時代に合った競争力のある物件に変わるため、大家さん始め不動産管理会社の皆様の一助に成れば幸いです。

 

空室が多い物件の原因

 

空室の多い原因

家賃が高いから空室なのか?

従来、賃貸住宅には、地域ごとに、広さ、立地、築年数により賃料相場が形成されていて、近隣にある類似の賃貸物件の賃料を参考にして新規賃料が設定されてきました。

しかし、同じ広さで同じ築年数なのに、隣接するマンションの賃料が2~3割も違うという事例を皆さんの周りでも見聞きしたことはないでしょうか?

これからは集客方法、設備内容、デザインやサービスと付加価値の違いで物件ごとに賃料が変化する時代に移ってきています。

賃料が割高でも満室になっている物件の出現が珍しいことではなくなってきました。地域によらず良質で付加価値を高めている物件は賃料が高い、逆に立地だけに頼っていて質が落ちて来ている物件は自然消滅の運命をたどるというように、賃貸住宅市場でも「賃貸住宅の差別化」時代が到来してきました。

賃料が高いことは埋まらなかった理由では無くなってきているのです。

埋まらないのは「賃料が高いから」でなく、「その建物に魅力が無いから」なのです。

一般商品と同じく、賃貸住宅経営にも魅力ある商品づくりが必要な時代となって

きたのです

 

建物が古いから空室なのか?

住宅として利用するには古いより新しい方が良いにきまっています。しかし、建物は時と共に古くなってきます。古民家や京都の町家のように100年程経過しても建物の良さが生きているものも有ります。しかし、だいたいの賃貸住宅では時の経過とともに薄汚くなってしまいます。

古民家や京都の町家は自然素材を多く使っているため、多少の汚れが建物の風格を上げてくれます。しかし、現在の建物は外装材や内装材に新建材を多く使っているため汚れると汚れがそのまま残り、汚らしくなってしまいます。

新建材は汚くなってしまつたら、汚れを落とすか、取り替えるか、塗り替えるかしかありません。

汚れを落とすことをこまめにしない限り、汚れが落ちなくなってしまいます。しかし、外壁クリーニングを行うのは簡単ではありません。まして、外壁を取り替えるとなると費用がかかりますので塗り替えることになってしまいます。

このように、新建材の外装材でつくられた賃貸住宅は最低限の塗り替えは必要なのです。

塗装をする場合、塗料が何色でも価格は基本的に変わりません。ですから、建物が少しでも美しくなる色で、汚れが付きにくい塗料で塗装することを選択して下さい。

建物が古いから埋まらないのではなく、汚らしいから埋まらないのです。

 

駅から遠いから空室なのか?

駅から近い物件が賃貸住宅の選択要因で上位であることは変わりません。駅から遠いより近い方が、賃料も高く、入居率が高いのは当然です。

マンション系であれば遠くても駅から歩いて10分以内の立地が望ましいでしょう。

アパート系でも15分以内であることが成立の条件だと思われていました。最近では、此れまでのように駅から近いから埋まり、駅から遠いから埋まらないとは言えなくなってきています。

ターゲットが誰であるかによって、求められる周辺環境、内外装も変わってくるのです。あるターゲットには必須である事柄も、他のターゲットにとって邪魔になってしまうということです。

安心して子共を育てられる駅から少し離れたような所に住みたいという「子育て中の人」もいます。

また、郊外や地方であれば車での移動が主流になるため、高速に出やすいとか、近くの商店街とか商業施設に車で15分くらいといった地の利が求められます。

駅から遠い物件であったら、物件の立地と周辺環境などを考慮してターゲットを絞り、建物にそのターゲットが求める環境を企画するという方法も立地の悪さを逆手に取る方法です。

都心立地での賃貸建物がハイリターンなのは、建物より土地自体が稼いでいるからなのです。しかし、郊外立地の賃貸建物では、土地が稼がない分、建物が稼がなければならないのです。

 

付加価値を付けた物件に

積極賃貸派に注目

賃貸市場を考えて需要層を分類すると、「当然賃貸派」「仕方なく賃貸派」「取り敢えず賃貸派」「あえて賃貸派」「積極賃貸派」に分ける事ができます。

「当然賃貸派」は何時の時代でも賃貸住宅でOKという学生や単身赴任者向けのものです。時代に合った設備などが充実してさえあれば需要がなくならない。

「仕方なく賃貸派」は持ち家を持ちたくても金銭的余裕がない人で今後増加の一途をたどると考えられる。

「取り敢えず賃貸派」は将来持家を持つために現在は賃貸で我慢する人たちです。この人達は賃料が安ければ安いほど良いという層になります。

「あえて賃貸派」は住まいの移り住み方に、初めはアパートから、賃貸マンション、分譲マンション、そして一戸建住宅で終わるという移り住み方への希望がありました。

最近、この移り住み方が変化してきています。住宅は所有する必要が無い、いろいろ考えたが賃貸で十分だと言う層です。

「積極賃貸派」は持ち家よりむしろ賃貸の方が良いと言う層です。

 

少子化時代に突入し、賃貸住宅市場もこれからは供給過多が本格化すると予測されております。

お持ちの賃貸物件が「仕方なく賃貸派」「取り敢えず賃貸派」をターゲットとしている建物の場合は、賃料の値下げ競争になってしまう可能性が大きいと考えられます。空室になった賃貸住宅はさらなる値下げをしなければ入居者が集まらない、というように値下げが値下げを呼んでしまう悪循環に陥ってしまう可能性が大きいのです。

現在のように地価の右肩上がりが考えられない時代では、所有した後に長期住宅ローンが待ち構えているだけでなく、生活拠点を移動せざるを得ない状況になった時など、分譲マンションを売却しようとすれば、売却価格が購入時より安くなるのが普通で、ローン返済が出来ない場合も有るくらいです。

このような状況下では、わざわざ住み替えや移り住みを困難にしてしまうような分譲マンションでなく、賃貸マンションの方がライフスタイルに合っているという人(積極賃貸派)も多くなってきています。

さらに、少子化により、親の住宅資産が将来は必ず自分のものになるという人達もあり、わざわざ他に住宅資産を所有する必要が無いという考え方も出てきています。

現在の賃貸住宅市場には、このような「積極賃貸派」向けの賃貸住宅は少なく、少ないからこそ、今後、望まれる市場と予測されます。

 

積極賃貸派にとって魅力のある賃貸住宅とは?

1.少ない予算で出来るおしゃれな空間を目指そう

これからは、今までの常識であった「駅に近い」「収納が多い」だけではなく付加価値を付けた物件に人気が出てくると考えられます。

住宅や暮らし方に関する雑誌の種類が豊富になっていることからも分かるように、住まい手側の「住」に関する関心やセンスが成熟してきています。

また、技術革新がインテリアに関する建材の技術水準を高めたことや、オーダーメイドのものでも安価で作ることが出来るようになってきたこともあり、見た目がおしゃれにデザインされた設備や雑誌に載ったもの(本物でなく偽物十分)、輸入設備っぽいものなどを多用して少ない資金でちょっとだけおしゃれな空間を造ることが出来ます。

こんなことも、自分のスタイルや好き嫌いがハッキリしている若者層をターゲットにできる方法です。

2.「安い商品」と「安物」は違う

打ち放しコンクリートがデザイナーズっぽいと思って、打ち放しコンクリート模様のビニールクロスを貼ったり、床は大理石が豪華だと思って大理石模様の塩ビタイルを貼って空室が埋まりました。

と新聞などの記事を見かける事がありますが、住み手側は感性が鋭いのです。価格が安い商品と安物とは区別しています。安物でデザイナーズ風を造ると、汚くなったら取り替えるしかありません。

新建材が全て悪いというのでなく、使い方を間違えると、入居者の入れ替え時に取り替える費用が多額になってしまうことが考えられるということです。

デザイナーズぽいおしゃれな賃貸住宅にするには、従来の住宅で使用されていた材料から抜け出して、店舗・オフイスで使用する材料を使うのもコツです。

3.部屋に入った瞬間のイメージが契約を運命づける

積極賃貸派は、分譲住宅の購入と違って、多少不便でも面白ければいいや!というような軽い感覚で借りるケースも少なくありません。

「友達に自慢したい」程度の安易な理由で決めている人も多いそうです。

それに、素人でもインテリアデザインに興味を持って研究している人も増えています。これらの人は、造り(構造)や配管など気にせずに、外観とか内装の雰囲気が全てとなります。住まいも洋服、音楽を選ぶと同様に建物を見たとき・部屋に入った瞬間に感じるモノが大事です。

建物の機能性をアップする事はお金がかかりますが、デザイン性をアップさせる事はセンスです。センスは情報収集と努力によってカバーできます。

「この部屋でこんな暮らしをする自分は絶対に楽しいに違いない!」

という気持ちを起こさせることなのです。

 

借りて頂いているという経営感覚が重要だ!

日本では賃貸住宅は2年ごとに契約を更新していくのが一般的です。更新時には更新料として新家賃の1カ月分を更新料として支払うのも一般化しています。

しかし最近では、法的根拠のない更新料は不要だという賃貸住宅も増えてきています。更新料については、日本に住む外国人には奇異に見えるようです。

大家さんにとって更新して貰えるのはありがたい筈です。24か月入居していれば1カ月分の賃料は4%になります。空室率を考え「住まわしてやっているんだ」という過去の話から「借りてもらっているんだ」と大家さんの意識を変えることが必要な時代が到来してきました。

部屋が空くと、最近は家賃を下げないと入居者が決まらないので、今入居している人が出て行かなければ、家賃を下げずに済むと考え、部屋が空いた時にしかしないリフォームやクリーニングを、入居中の部屋にしてあげるとか、キッチン・浴室のクリーニングとか賃料の0.5~1か月分でこなせるサービスを行い、出ていきたくない部屋にすることも良いことかもしれません。

空けない為の賃貸住宅経営という発想の転換も立派な競争力であります。